第7章 おかしな烏野高校排球部
「! 影山さん…」
半ば反射的に振り返ると、そこには影山さんが佇んでいた。海のように蒼く澄んだ美しい瞳はいつ見ても惹き込まれてしまう。
「影山さん、何か御用ですか?」
「……」
「…? か、影山さん……?」
影山さんはぶすっと不機嫌そうに眉根を寄せ、唇を尖らせて何も語らない。あの…おこなの?おこなの??(涙目)
「瀬戸、その、も、もうちょいこっち…来い……」
「えっ?あ、はっ、はい……」
言われた通り、影山さんに二、三歩程歩み寄る。少し手を伸ばせば届く距離に影山さんが居て、いつもより緊張する。
しかし、そんな時程変に意識は相手に集中してしまうもので。髪の毛の動く音まで聞こえそうなくらい影山さんに意識が向いてしまう。
彼の体温や呼吸などを近くに感じる。ぐるぐると目紛しい頭の隅で、何故か『あれ、影山さんてこんなに身長高かったっけ?』と疑問が浮かぶ。普段こんなに近くで影山さんを見ることがないからかもしれない。