第7章 おかしな烏野高校排球部
その②
「瀬戸!これはどうだ?!」
フンスフンスと勢い込んで商品を私に突き付ける。しかし私はまたもギョッとする。
影山さんが手にしていたのは、にわかせんべいに激似のお面だった。
いや、これを渡してどうして欲しいんですか。
* * *
その③
「………影山さん、それは……」
「これカッコよくないか?!」
影山さん、あなたの感性には本当に驚かされます。
マサイ族の木彫りの置物を抱えてドヤ顔している影山さんに対し、私はどうしたら良いのか分からなかった。
「母さんこういうの好きって言ってた。」
「あ、そ、そうなんですか。それならきっと喜んでもらえると思います」
影山さんのお母さんのプレゼントなので、私の感覚がどうであれ喜んでくれる事が大切だ。
例えそれが若干怖い顔のマサイ族の置物でも、だ。
「でも、これ凄く高そうじゃないですか?」
「んぬ、いくらかまだ見てないな…」
影山さんは置物に付いているであろう値札を探し始める。しかし、見る見るうちに影山さんの眉間に皺が寄り始めた。
「これ、値札ねえ……」
店の飾りだった。