第7章 おかしな烏野高校排球部
気付けば教室に残っていた女子達や、廊下にいる女子達が彼に視線を向け、呟くような声で容姿を褒め、黄色い声を上げていた。本当に目からハートでも飛ばしてそうだ。
「おーおー…すんごい人気だね~。イケメン様は羨ましいねぇ」
「ホントだねぇ」
「そーいや4組の、えーとー…築地クン?」
「月島な。それ築地市場だから」
近くないこともないが。
「そうそう月島クン。あの人も人気あったよな」
「あーうんうん。私も何度か月島さんのこと聞かれた。でもよく知らないから聞かれても困る」
「あー何かちょっと近寄りがたい感じだもんなぁ。てーか影山クンもそんな感じだよねー。やっぱそういうのに惹かれるモンなんかなぁ」
△△は持参してきたのかカリカリ梅の袋を雑に引き開け、一つ摘んで口に放り込む。
「しっかしまぁ噂通りのご尊顔だぁねぇ~。こりゃあ女子がほっとかないわけだ~」
△△の影山さんの顔を見詰めながら、がははと笑いカリカリ梅を頬張る姿はポップコーンを片手に映画を鑑賞する光景を連想させる。何気なく影山さんの顔へ再度目を向ける。確かに、彼の精緻な顔立ちはお金を払ってでも目にしたいものかもしれないと感じる。
「ところでさぁ、その影山クンが何の用なんだろうね?」
「それは~~…私も分からん」
彼や日向はもうとっくに部活に向かっているものだと思っていたから、私も全く分からない。
「あ~~…もしかしてさ~伊鶴に用じゃないの~?」
「は、えぇ??何で私??」
「だってこのクラスにバレー部ってアンタだけじゃん」
「あ、ああ……。なるほどね」