第7章 おかしな烏野高校排球部
「あー、と。ちなみに旭くんとツッキーくんは違うみたいだね。旭くんは、娘か妹みたいな感覚なのかな。そんでツッキーくんは、そうだなー…只の同級生、又は只のマネージャーって感じ?」
「! ……その通りですケド」
月島は軽く目を見開き、すぐさま不機嫌そうに眉根を寄せる。自身の中を見抜かれた事が不快なようだった。
「まぁ、今のところだけど」
月島はその言葉に更に不愉快となり、奥歯を噛み締める。鴨一はその心情を察しているかのようにククッと肩を揺する。月島はそういった鴨一の人の神経を逆撫でする為のような言葉選びと所作が気に入らなかった。
鴨一は月島の睨み付ける視線を尻目に、他の部員へと向き直る。
「まぁさー、君達そーんな動揺しなくて良いじゃん。見てりゃ一発で分かるよ?すんごい分かりやすい」
鴨一は悪戯めいた笑みを湛え、両手で輪を作り、それを両目へと双眼鏡の様に当てる。その動作に、指摘された部員達は顔を赤らめる。
「ていうか大地くーん。お兄さんの居る前で堂々とあんな事しちゃうなんてさすが主将だねぇ。肝が据わってるよー」
「なっっ!!」
「お兄さんビックリしちゃった~」
「もうそのことは忘れて下さい!!」
澤村は両手で顔を覆って叫ぶ。隣に立つ菅原はドンマイと声を掛け、澤村の背中を擦る。