第7章 おかしな烏野高校排球部
騒ぎの中、気だるげな声がスッと響き渡った。全員が動きを止めて声の主へと顔を向ける。声の主へと主将が目を瞬かせて問い掛ける。
「月島、どうしかしたか?」
その視線の先には、呆れたように眉尻を下げ、腰に手を当てて佇む月島さんが居た。
「あの~そこのマネさんに聞きたいんですけど~」
「は、はい」
月島さんはずいと私に近寄る。丸みを帯びた綺麗な瞳が私を見詰める。ていうか月島さんちゃんと私の名前呼んだことないな。別に好きに呼んでくれて言いけど、マネさんてよー…。
「家の人に電話して持って来て貰えないかって聞きました?」
「あっ…」
「「「「……」」」」
月島さんの発言に、私は思わず声を上げる。他の皆は揃って目を見開く。月島さんは一人溜め息を吐く。主将とスガ先輩はまさに、目から鱗という表情で口を揃えて感嘆の言葉を漏らす。
「「そ、それだ……」」