第7章 おかしな烏野高校排球部
とりあえず影山さんと日向にも理由を話すと、二人は目をパチクリとさせ、
「俺のおにぎり食うか?」
「あ、ずるい影山ぁ!瀬戸おれの弁当のおかず分けてやるよ!!」
と言った。お弁当くれる候補増えちゃっただけじゃないデスカー。でも優しい、泣く。
しかし、騒ぎに気付いた他の皆もやって来て、益々大規模な事態へと広がってきてしまった。
田中先輩や西谷先輩に至っては、『コンビニまでひとっ走りして来てやる!!』って叫び、今体育館から出て行こうとしている。そんなお二人を、東峰先輩と縁下先輩が羽交い締めをして抑えてくれている。
「落ち着け二人とも!!まずその手にしている財布を下ろせ!!」
縁下先輩が二人に向けて叫ぶが、当の二人は聞き入れる様子は無く、羽交い締めから抜け出そうともがいている。
「離せ力!!俺は今から瀬戸にツナマヨおにぎり買って来るんだぁッ!!」
「気持ちは分かるが落ち着け西谷!!気持ちは凄い分かるが!!」
「旭さんお願いっス離して下さい!!瀬戸に!!瀬戸にメシをおおおおおおおおおお!!」
「田中スマン…これも瀬戸ちゃんの罪悪感を少しでも軽くしてあげる為なんだ…!」
四人共優し過ぎて泣く。しかしその優しさに心が痛い。弁当忘れて田中先輩と西谷先輩をパシらせ未遂に陥れかけた事めちゃくちゃ辛い。脱毛しそう。
そしてカオスと化したこの事態の収集が着かない。
どうするのこれ…。
「あの~~~……」