第7章 おかしな烏野高校排球部
「どーしたんだよお前らー。珍しく喧嘩かー?」
「えっ、あ、主将…スガ先輩…」
「喧嘩ではないだろ大地ー。こんなふわふわした喧嘩なんかねーよー」
ぷぴーと怒る私。毎度お馴染み天使のように可愛い怒り方をする潔子先輩。険悪なんかでは全く無いが、珍しく睨み合う私達に気付いたのか、主将とスガ先輩がこちらへとやって来た。
「澤村、菅原。二人も伊鶴ちゃんに言ってあげて」
「お、おう。どうした?」
潔子先輩の、滅多に無い眉根を寄せた釣り上げた表情と言動に、主将は目を丸くする。
「伊鶴ちゃんお弁当忘れたらしくて、それで私のご飯分けてあげるって言ってるのに要らないって言うの」
「えっ!そうなのか瀬戸!何か食べなきゃダメだべー!」
「俺も同意見だ!瀬戸米食べろ!!」
主将は修造さんですか。
三人の全力の『食べよう』プッシュを受けてしまい、さすがに口を噤んでしまう。反発意見を口にしてもさらりと躱されてしまいそうだ。
「どーしたんすかそんな集まって!!何かあったんでか?!」
不意に快活な声が飛来し顔を向けると、そこにはもぎゅもぎゅとおにぎりを頬張る影山さんと、同じく何かを頬張っている日向がやってきていた。
その前に日向、その手に持ってるお弁当箱と箸は置いて来ようか。