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【ハイキュー!!】行け!烏野高校排球部

第7章 おかしな烏野高校排球部


               ※     ※


「あーもしもーし。オレオレー。元気ぃ~?あ、ちょっと切んないでぇッ!オレオレ詐欺とかじゃないからぁ!!ちょっとは意識してたけどさ!! …うん。分かったよー。ちゃんと用件言うってばぁ~。も~!せっかちだなぁ~!あああああだから切らないでってば!!
……うん、でね?今日俺部活遅れるかもしんない。ていうか確実に。え?病院行ってくるから。うん。・・・・あー実はね、俺また怪我しちゃったっ☆」
ここだ、と察して俺は耳から携帯を離す。


『~~~~~~~ッ!!!~~~~~!!!』


その直後に電話口から怒号が上がる。あーやっぱり。すぐ怒るんだからホント。ま、それだけ俺を心配してくれてるってことだよね!親友の特権だ!!耳に電話を当て直すと、すぐさま謝罪を返す。
「ごめんて”岩ちゃん”!そんな怒んないでよ~!!あ、それより岩ちゃん聞いて!!あのね、俺さっき凄く素敵な子に会ったんだよ!!俺の事手当してくれてね、っていやいやいや違う違う取り巻きの子達じゃないって!!偶然通りかかった子!!
……ちょっと!それ酷くない?!雨に濡れた子犬拾う感覚ってどゆこと!!」


ぎゃんぎゃんと電話口に文句を垂れている所為で、俺の人形のように端正な顔立ちは台無しだ。もう岩ちゃんの所為なんだから!すると、不意に岩ちゃんの声が落ち着いた雰囲気を孕む。責めるのではなく、俺を心配し、そして優しく諭すような言葉に、自然と目頭が熱くなる。
「……うん、うん。ごめんね岩ちゃん。次からちゃんと気を付けるよ。・・・アハハ、二回目だから説得力無いね。…うん。ありがと。ちゃんと早く治すね。うん。じゃあ先生と監督に、うん。ありがと、じゃあまた後で」



携帯画面の通話中止ボタンをタップし、電話を終える。その後、すぐに自身の親に連絡を取り、迎えに来てくれるよう頼む。電話を切ると、ふうと嘆息し瞼を降ろす。ドッと溜まった疲労に肩を落とし、自然と項垂れる頭を重く感じる。緩慢気味に瞼を開く。すると、視界の端にある物が映る。

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