第7章 おかしな烏野高校排球部
──────あの子がくれた、白いハンカチだった。
それと同時に、彼女との出来事が脳裏を駆け巡る。そして、彼女が公園を出る時の言葉と、あの表情。
「すっごい、綺麗だったなぁ…」
もう一度、会ってみたい。話を、してみたい。
心臓がきゅっと締め付けられるような感覚を覚え、思わず胸に手を当てる。
何、今の。
未知の感覚に戸惑うが、頭のどこかで、大切にしなくてはならないものだと感じた。変なの。
そう思いつつも、何となく胸の辺りを擦った。不意に手中の携帯が音を立てる。半ば機械的に画面を操作し、携帯を耳に当てる。
「はーいどしたの岩ちゃん。え?えっ? …はぁっ?!監督がキレて『及川が来たらコンニャクを鼻に詰め込んでやる』ってスーパーに出掛けたッ?!
はあ?!何それちょっと俺どうなるの?!…甘んじて受け入れろとかヤメテ!!!ちょっと!!切らないでよ岩ちゃん!!ちょっとぉ!!
─────”及川”さんを見捨てないでぇッ!!!!」