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【ハイキュー!!】行け!烏野高校排球部

第7章 おかしな烏野高校排球部


         *   *   *

そろそろ行かなくていけないと告げると、彼も部活があるらしく、親御さんに連絡すると言った。
「それじゃ、部活に行く前に、一度病院で見てもらって下さい。もしかしたら捻挫している可能性もあるので」
「はい。ホントに何から何までありがとうございます」
彼はまた優雅に微笑む。彼の足の切り傷は範囲は狭いものの深く切れているように見えた。きっと痛いだろうに、それを私に見せようとはしない。そこだけ、未だに心に引っかかる。


しかし、親しくもない私がそこに踏み入る事はしてはいけない。私が彼の立場であれば、私も同じだ。
「もう一度左足を上げてもらって良いですか?」
「? はい、分かりました」
私は再び彼の足元に屈んだ。袋から水を取り出し、ウエストポーチからハンカチを取り出す。ただのハンカチではなくガーゼハンカチである。ハンカチを水に濡らしほんの少しだけ軽く絞ると、彼の足にそれを添える。
「これで病院に行くまで冷やしておいて下さい。大して意味は無いかもしれないですけど」
「え?!そんな悪いですよ!!」
「良いんですよ。今は怪我を直す事に専念して下さい。あ、このハンカチはまだ使ってないので安心してください」
「いやそんな、尚更申し訳ないです!俺は大丈夫ですよ!」
頑なに拒む彼を見上げ、私は静かに告げる。

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