第7章 おかしな烏野高校排球部
「何故、と言われても……」
「・・・」
口を開いたは良いものの、答えに困窮したは私は黙ってしまう。彼は引き攣った表情のまま硬直する。数秒程経つと、かくんと肩を落とす。
「あの、さっきのさっきで申し訳ないんですけど…」
「はい?」
「手当て、してもらっても、良いですか?」
私は軽く目を見開くが、すぐに頷いて立ち上がった。
* * *
「ッ~~~~~~~!!」
「あ、す、すみません。すぐに済ませますっ」
うん消毒液痛いよね。しかし痛くなければ覚えませぬ、痛くなければ治りませぬってね。あれ、上手くない?
再びは私は彼の足元にしゃがみ込んでいた。ガーゼに消毒液は少し含ませ、軽くぽんぽんと当てる。彼は唇を噛み耐えてくれることに感謝する。
私の足元には、レジ袋をレジャーシート代わりにして、先程コンビニで買って来た水と消毒液と包帯とガーゼが一箱置いてある。ガーゼテープは残金が足りず断念した。メロンパン買ったことを軽く後悔する。食欲に打ち勝てなかった自分に落ち込むが、今は彼の手当てに専念する事が先決だ。
「あの、すみません。わざわざ買って来てくれて。俺、てっきり手当ての道具持っているのかと、勘違いして…」
「いえ、気にしないでください。最初から手当てをするつもりだったんですから」
「でも、水まで……」
買って来た水は傷口を洗うのに使用した。最初は公園の水道の水を使おうかとも考えたのだが、清潔で綺麗な水かと問われると、そうだとは断言し難いので買う事にした。
「ホントに、ありがとうございます」
「いえ…」
何となく照れてしまい、彼の顔をまともに見ることが出来なかった。それを誤魔化すように新しいガーゼを手に取る。