第7章 おかしな烏野高校排球部
安定した美味しさを楽しみながら歩いていると、見慣れた公園が見えてきた。遊具の数もそこそこ多く、走り回るには充分な広さも設けられているので、普段は子供の姿も多くあるのだが、今現在は朝の為だからか一人も見当たらない。
あっという間に空になった紙パックを捨てようと、公園の入り口に一歩を踏み出すと、
「うおっ…?!」
予想外の事にビクリと身を震わせ後ずさりしてしまった。
ゴミ箱の脇にあるベンチに身を屈めて 男の人が座っていたのだ。その男性は私に気付くと、やんわりと微笑み掛けて会釈をする。突然の事に戸惑うが、何とか会釈を返す。慌ててゴミを捨てると、逃げるようにして公園を出る。
一瞬にしてバクバクと動く心臓を押さえる。完全に不意打ちだった為余計に驚いてしまった。
しかし、チラリとしか見えなかったが、中々端正な顔立ちの人だった。調子の良い奴目と、自分に悪態をつく。
それはともかく、こんな時間から珍しいなぁと、何とは無しに歩みを止めて後方を振り返る。すると、何処と無く彼の動きに違和感を覚えた。
表情は見えないのだが、彼の頭は幾度も不自然にふらふらと動いていた。それは、痛みを堪える姿のように映った。