第7章 おかしな烏野高校排球部
第7章 『おかしな烏野高校排球部』
『王様と村娘』
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新たな発見や絆の生まれたGW合宿が無事終わった。今はIH予選に向け練習が始まり、部の皆の気持ちも更に引き締まっている。そして今日は日曜日の午前7時半ちょっと過ぎ。今日も皆の練習がある。
はずだった。
いつものように皆が集合場所で待機していると、慌てふためいた様子で走りながら武田先生が登場してきた。転びそうな勢いで走って来た所為か、着衣も乱れていた。
“『どーしたたけちゃん、何かあったんか?』
先生の様子に皆一様に目を丸くする。
『ご、ごめんね皆ぁ〜!!』
『せ、先生一体どうしたんですか?!』”
“瞳を潤ませながら謝罪をする武田先生に、皆が憂色と緊張を滲ませながら固唾を呑んで見守る。そんな中先生は「実は、」と呟き、一息に言い切る。”
『今日は練習出来ないです〜〜〜!ごべんなざい〜〜〜!!』
以上のことが7時丁度くらいの出来事であった。
どうも理由は、明日大会を迎える部活が体育館を一日使うことになっていたのを、武田先生が忘れていたそうだ。
ダンゴムシのように背を丸めて落ち込む先生。そして瞬く間に「先生ッ!!」「たけちゃん大丈夫だから!誰でもあるよそういうこと!」「先生笑って!」と、先生励まし隊が結成された。私も会員です。皆が黙ってお弁当のおかずを供え始めた時にコーチからストップが掛かり我に返った。優しいのは分かったからとりあえず帰って自主練しろと告げられた。
閑話休題。
とにかく、朝早く起きたのにもったいないなぁという節もあり、最近身体が鈍っている事が気になっていたのでジョギングをしようと考えた。
とりあえず家に帰り、私物のジャージに着替え外に出た。走っている最中に喉が渇いたので、誘惑に負けて近くコンビニでミルクティーを買ってしまった。