第6章 手に手をとって
その後、軽くどんちゃん騒ぎと化した場は、復活した鳥養コーチの怒声により収まり、挨拶も無事終了し、音駒の皆と別れを告げた。
お互い手を振り合い、別れを惜しみあう。
涙と鼻水を垂らしながら手を振る山本さんに黒尾さんはギョッとしている。孤爪さんは照れながらも日向に手を振っていた。
烏野サイドでは、涙と鼻水を流しながら山本さんに別れを告げている田中先輩に対し月島さんがギョッとしている。そんな皆を微笑ましく思いながらも見詰めていると、
犬岡「瀬戸ッッ───!!また会おうな───!!」
芝山「瀬戸ちゃんまたね───!!」
山本「…ッ!!!」
夜久「いや泣いてないで何か言えよッ!!ったく…瀬戸っ!!またな───!!」
音駒の皆が私にも手を振ってくれた。
海さんや福永さんに孤爪さんも手を振ってくれている。
そして、黒尾さんも、少し切なそうに笑顔を浮かべながら小さく手を振っていた。
どうしようもない切なさが胸を突き、言葉が出てこない。下唇を強く噛み、大きく手を振る。音駒の皆の姿が見えなくなるまで手を振った。