第6章 手に手をとって
* * *
「「友よ!また会おう!!!」」
そういえば何時の間に仲良くなったんだこのお二人は。
田中先輩と山本さんは滂沱の涙を流し、ガシッと手を握り合う。山本さん西谷先輩のこと“師匠”って呼んでたし、やっぱ気が合ったんだな。
時間はあっという間に過ぎて行くもので、遂に新幹線の時刻は迫り、音駒の皆と別れる時がやって来た。今日一日沢山の出来事があって目まぐるしかったが、同時に沢山の大切な出会いがあった。音駒の皆との出会いだ。今日初めて会った人達なのに、心に穴が空いたように寂しさが産まれる。
烏野の皆も、田中先輩と山本さんのように寂しさが…
澤村「次は負けません!」
黒尾「次“も”負けません!」
――――――ぎちぎちぎちぎちぎち……
菅原・夜久「「恐い恐い恐いからッ!!」」
鳥養コーチ「次戦(や)る時は今日みたいにいかねえかんな」
直井コーチ「ああ。そうしてくんないと練習になんないかんな」
――――――みりみりみりみりみり……
菅原「こっちもか!」
夜久「大人げない!!」
最後まで各校マザーは休めませんでしたとさ。
ていうか私のおセンチメンタルな前振り台無しである。