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【ハイキュー!!】行け!烏野高校排球部

第6章 手に手をとって


『? どうかし、』
『おれさ、“小さな巨人”になりたいんだ』
『…“小さな巨人”て、隣町の烏野高校の、あの“小さな巨人”ですか?』
『うん!あの小柄な体格でさ、飛んで、いっっっぱい点決めて!』
バッと両腕を広げる日向さんの背に、まるで今にも飛び立つのではないかと本気で錯覚してしまった。






『おれも、ああなりたい。……───なってみせる』






「冗談なんかじゃない、いえ、冗談という言葉を口すれば殺されてしまうんじゃないかと思う程、真剣な言葉でした。その瞬間、ああこの人はきっとなる。そう思いました。小柄な彼がどこまで戦えるのか気になるのもあったかもしれないです。でも、なって欲しいと思いました。───それが、私達の最初の出会いで、友達になるきっかけでした」
風に靡いた髪をかき上げ耳に掛ける。風に煽られた木の葉がはらはらと川の水面へと着地する。



「そして次の日の部活が終わった後、日向は私にバレーを教えてくれるよう頼んできました』


『頼む!!ちょっとで良いからおれにバレー教えてくれ!!』
『えっ、ええ?!わ、私教えられるような立場じゃないですよ!』
『ホントにちょっとの事で良いから!!!』
『え、うう…』


「勢いに押され、流されるまま日向にバレーを教える事になったんです。時には私の相手もしてもらい、お互いに協力し合いました。
只、他の子が残る時は、二人での練習は断念しました。私も日向も、あらぬ噂を立てられるの嫌でしたから。…ただし、“二人での”です」
「?」
影山さんは不思議そうに小首を傾げる。私は当時の事を思い返し、笑いそうなのを堪えて話す。
「私も日向も、家に帰ってからもバレーばかりだったんです。課題もそっちのけで筋力トレーニングをしたり、家の外でアンダーとオーバーの練習をしてました。ちなみに、そういう日に限った事じゃないですよ。毎日やってましたから。そして次の日の部活で『自分は昨日何回出来た!自分の勝ち!』とか言い合ってましたね」


影山さんは軽く呆れたように息を吐く。そりゃそうだわな。朝学校行ってから課題やってたし。ただし、友達の答えを写してだがな!

ただ、それだけがむしゃらになって打ち込んでいたのだと懐かしくなる。私は空を見上げ、口を開く。

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