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【ハイキュー!!】行け!烏野高校排球部

第6章 手に手をとって


「私、その言葉聞いた瞬間、何だか居ても立ってもいられない気持ちになりました。たった一人でもバレーをしてみせるという真っ直ぐな気持ち。どんな場所でもそこが自分の練習場所。誰が相手でも、相手をしてくれるだけで嬉しい。そんな日向と、話をしてみたいと思ったんです。

その日の放課後、部活が終わってみんな居なくなった後、まだ体育館の隅で練習していた日向に、思い切って声をかけてみたんです」


* * *



『あのー…』
──────ボンッ!!
『あ、あのっ!』
『ッ!?』
──────バゴンッ!!


『おぶッ!!』
『あ、ご、ごめんなさいっ!』
跳ね返しそびれたボールは日向さんの顔面に突っ込んでいき、日向さんは避ける間も無く顔面で受ける。私が驚かせてしまった所為でと自己嫌悪に陥る。心が痛い、凄く痛い。
『あ、あははは…大丈夫大丈夫っ。怪我してないし!』
『で、でも、ホントごめんなさい…』
『ホラ見て!全然怪我してない!それに超慣れてるし!平気平気!』
日向さんは自身の顔を指差し、無事であることを告げる。直撃した部分が僅かに赤く染まっているが、怪我などは無いようで安心した。ホント良かった……。

『それより、キミは?女子バレー部の人だよね?』
『あ、はい。1年の瀬戸伊鶴です』
『おれも1年!!ね、瀬戸ってポジション何?!』
『え、あ?い、一応、ウィングスパイカー、』
『スパイカー?!ホントかっ!?』
『ひっ、ホ、ホントですっ!!』
突如嬉しそうに叫ぶ日向さんに怯えてしまった。な、何でそんな嬉しそうなの…。

『なあなあ!!スパイク打ってみてくれよ!!』
『え、ええ…?!い、いや私そんな上手くな、』
『おれのほうが上手くねーもん!!だから生でちゃんとしたスパイク見てみてえの!!』
キラキラと太陽の様な笑顔を向けてくる日向さんにたじたじになってしまう。やめて、そんな綺麗な笑顔で私を見ないで。
『わ、分かりました。じ、じゃあ、トス、打ってもらって良いですか…?』
『もちろん!!トス上手くいく気しないけど!!』




そんな自信満々に言われてもよ。

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