第6章 手に手をとって
「もう我慢出来ない泳ぐ―――――――ッッ!!」
―――――――バッシャアアアアアアアアアアアアンッ!!
「「「「ええええええええええええええッ??!!」」」」
ですよええええええ案の定って感じですけどねえええええええ…!!
「うおおおおい何やってんだ日向ああああああああああ!!」
鳥養コーチは頭を抱えて悲鳴の如く怒号を上げた。日向はバシャンと水面から顔を出すと喜色満面を顔に浮かべて返事をする。
「大丈夫です!!そんなに水冷たくないっス!!」
「いやそういう問題じゃねぇよッッ!!」
鳥養コーチは、手にしていたまだ中身の入ったお茶のペットボトルをズパアンッ!!と地面に叩き付ける。在り得ない程高く跳躍したペットボトルは川へと一直線に落下し自然へと帰って行った。
理不尽な暴力を受けたペットボトルよ、お前はきっと良い奴だった。
しかしながらお怒りはごもっともですコーチ。
日向は鳥養コーチの怒りの原因を考えてるのか、暫しの間沈黙する。すると、ハッとしたような表情を浮かべると、次にはしょぼんとした表情が現れ、渋りながら口を開いた。
「分かりましたコーチ…」
「あ?」
「魚は絶対獲りませんッ……!!」
「そこじゃねぇよッッ!!」
日向…お前いつから野生児になったんだ。
「そうじゃなくて、バス乗る前ちゃんと着替えろよっていう話をしたかっただよ俺はッ!!」
「あっ、そーだったんですか!!」
「そーだったんですかって、お前はホントにも、う…」
―――――――バッシャアアアアアアアアアン!!
西谷「いええええええええマジ最高おおおおおおおおおお!!」
田中「川マジ最高おおおおおおッ!!」
山本「大自然パネェええええええええええ!!」
忘れてた、あの三人衆がやりかねないということを。
「あーあ…アイツらまで入っちゃったねぇ…」
「黒尾さん見てたなら止めて下さいよ」
「いや、止めようとした時には音速の速さで走り出してた」
そりゃあ無理ですな……。