第6章 手に手をとって
第6章 『手に手をとって』
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「「「川だあああああああああああああああああッッ!!」」」
定番の叫び頂きましたー。
はい、元気いっぱい叫んでくれたのは日向、田中先輩、西谷先輩、犬岡さんに山本さんでした。まあホントに定番なのは海だーって叫ぶのなんだけど、さすがに海までは遠くて行けないみたいです。残念。でも川良いよね。緑と一緒に水の自然まで味わえちゃうなんて素晴らしいよホント。川大好きな私の個人的意見ですご了承下さい。
球技場からバスを走らせ約15分程でここに到着した。この川は県が管理しているれっきとした施設らしく、川の元へ行く階段が設けられ、その横には注意喚起する看板も立てられていた。階段を降りると、壮大な景色が広がる。丸みを帯びた大き目の石がそこかかしこに乱列していて歩き難いが、この整備されていない感が自然を身近に感じる。こういうの凄く良いね。
その先には川の水に浸った砂利が少し続いている。澄んだ水越し
に見る砂利はどこか幻想的に感じる。そして一等目を引くのは穏やかに、しかしどこか力強く流れる川。周囲の木々がざわざわと揺らめき、葉が幾枚か川に落下する。音も無く流れていく葉にどこか自然の儚さを感じる。ああ自然って偉大なりだな。
「すげえええええええええッ!!大自然パネェ!!」
「こんな綺麗な川あったんだなー!知らなかったよ~」
山本さんは目の前の大きな川に大興奮の様子だ。主将も感動してるようで、感嘆の声を漏らす。鳥養コーチは皆の反応に対し、満足気味に頷いて口を開く。
「俺がお前らくらいの時によく友達と来たんだよ。夏休みとかは夜中チャリ飛ばしてここで肝試しとかしたんだぜ?」
「へえ~~!!楽しそう~~!!」
懐かしそうに語る鳥養コーチの言葉に、日向はわくわくした表情を浮かべると、いそいそと靴と靴下を脱ぎ、Tシャツもそこらへと放り捨てる。そして脇目も降らずに川へと一直線に向かっていく。
え、ちょっ、まさかお前、