第5章 猫は鴉へ爪を突き刺す
突然とんちんかんな事な発言をした黒尾さんに絶句する。ホントこの人予測不可能過ぎて困る。いつデットボール来るか分かんない。日向と良い勝負だ。いや、でもここんとこそういう人多いかもなぁ…。
「おおっ?照れてる?照れてるっ?」
「て、照れてません。何なんですかホントっ…!」
黒尾さんを置き去りに先へと進む。もう構ってられん。この人に構ってると赤面必至だよもう。てか狙ってるよなこの人。マジ性悪だな。
「な~先行くなよ~。デートって言ったじゃ~~ん」
「黒尾さんが勝手に言っただけじゃないですか。ていうかルート短過ぎて散歩にもなりませんよ」
「へぇ~…じゃあちゃんとしたデートならしてくれんの?」
「は?!」
唐突に顔を覗き込まれてビクッと肩が撥ねる。黒尾さんは鬼の首でも取ったような笑みが現れていた。
しまった、こういう手合いに深読みさせてしまうような発言はご法度だったか。
「なーなーそういうこと~~?」
「ち、違いますっ、何でそうなるんですか!」
「顔赤いよ?ダイジョウブ??」
ほれ見たことかー。早速からかいの的ですよもうヤダー(白目)ていうか何が『ダイジョウブ?』だよ。確信犯が何を言うか。
「おいコラ────ッ!!そこの性悪主将!!何イチャついとんじゃあああああああああああああああ!!」
「!!」
「うおっ?!」
突然の怒号に私と黒尾さんは肩を撥ねさせる。こ、この声は!!