第5章 猫は鴉へ爪を突き刺す
皆さんは緩くカーブを描いた一列を作り、私の前に並ぶ。皆どこか期待を込めた表情を浮かべてじっと私を見る。
月島さんと山口さん、東峰先輩は列から外れている。東峰先輩と山口さんは列の側で心配そうにオロオロと見詰めている。東峰先輩もお母さんに見えてきたよ。ていうかお母さんだ。第2のお母さんだ。
「瀬戸ッ!!どうなんだ?!」
「えっ、えっと…ですね……」
輝く瞳で私を見詰める日向に思わずたじたじになる。影山さんもうずうずした様子で私を見詰める。さらに他の皆の視線が集中しており、肩を竦めて顔を下げてしまう。
もう何なのこのキラキラ光線。私眩し過ぎて直視出来ない。
そして音駒の皆さんも遠巻きに私達を見ている。黒尾さんはニマニマと愉快そうな笑みを浮かべている。性格ワルー。
ていうか日向も日向だ。こんな人前で聞いてくるなんて私恥ずかしさで死んじゃう。いやマジマジ。
空気を入れすぎた風船の如く破裂寸前の心臓が、脳に支障でも来たし気の迷いでも起こしたのか。
それとも、降ってわいたこの状況に立たされ、羞恥心からの八つ当たりか。
或るいは元からどうかしてたのか。
───私はだいぶ頭の悪いことを考え付いた。