第4章 猫と鴉は再び兵刃を交える
瀬戸が今日一日音駒のマネになると聞いた時、烏野のメンバーは想像以上に驚いていた。俺はその反応を見て、検証の為煽り立てるような発言や態度を示した。
その結果───烏野は瀬戸への並外れた執着を見せた。そして俺に対する、身の危険を感じる程煮え滾る対抗心。
瀬戸は確かに並以上の顔立ちだが、正直眼鏡のマネの方が美人だと感じた。
しかしあの烏野の反応。
これは瀬戸の外見だけではなく、瀬戸は何か不思議な魅力を持っているという事実を裏付けるには充分だった。
俺はそれが何なのかを知る為、瀬戸を貸してもらったのだが、早くも真実を垣間見た気がする。
『何か、大きな意味があると、思ってます』
あの言葉、最初に会った時の同じ物を感じた。
烏野との試合も、彼女の真実も、全てが俺の好奇心を駆り立てる。
俺は武者震いを抑えるように、愉悦を込めた笑みを深めた。