第4章 猫と鴉は再び兵刃を交える
「女っ、マネっ…女神達がっ、うぉぉ……あぅファァァァァァァ」
何だろうこのデジャヴ感。凄くあの先輩コンビと気が合いそうなモヒカンさんだ。モヒカンさんの後方では音駒の人二人がハイタッチして、ハーゲンダッツゲット!と喜んでいる。
「お、お、おぼえてろよぉぉぉぉぉおおおおおお!!」
「「あ゛っ!!猛虎さん逃げないで!!」」
モヒカンさんは古めかしい捨て台詞を吐き散らかして行ってしまった。ハイタッチしていた二人も彼を追い掛けて行った。二人の会話から
するに、どうやらモヒカンさんの名前は『猛虎』らしい。彼の心は見た目に反して繊細に感じられるのだが。ガラスのハートだが名は『猛虎』とはこれいかに。
「どうしたのかな?」
「さあ……?」
とりあえず分からない振りをしておこう。首傾げた潔子先輩可愛かったから。
「お前ら何で音駒(むこう)の奴と知り合いなんだよ」
不意に影山さんが日向に問い掛ける。日向はパッと答えた。
「ロードワーク中にたまたま会った。音駒のセッターだって」
「セッター……」
「うおっ!!?」
メラリと影山さんの瞳に炎が宿った。怖いデスマジで。
「で、お前は?」
「……」
「おい、瀬戸。聞いてんのか?」
「え、えっ?わっ、私ですかっ?」
威圧的な影山さんの声音に背筋が冷える。何か物凄く不機嫌指数が高い顔付きになっておられるどうしよう。
「“お前ら”って言っただろ」
「へ、あ、そうだったんですか?す、すみません……」