第4章 猫と鴉は再び兵刃を交える
「心配し過ぎですよ先輩!私ちゃんと気を付けられます!それにいざとなれば結構戦える方だと思いますよ!」
「気を付けてても、もし無理矢理とかだったらどうするの!それに戦うなんて危ない事絶対しちゃダメ!」
潔子先輩は眉を吊り上げ、真剣に叱責をしてくれるが、ぷんすかと可愛い擬音が出そうな位可愛いんですけど。マジでバリ可愛いんですけど私の先輩。私逆に潔子先輩の方が断然危ないと思うんですけど。
こんな美人カッコ可愛い方を狙わない人なんて居ないでしょ。まあ私という後輩が居るからそんな悪者に手など出させんがな。手出してきたら百発蹴り入れてやる。主に股間を重点的に。
「それに!伊鶴ちゃんはもっと自分が可愛いってこと、」
不意に潔子先輩の言葉が停止し、潔子先輩の瞳がある一点に止まった。私もその方角に目を向けると、球技場の中へと通じる扉の前で何やらわちゃわちゃとしている人々が居た。
そこには日向に田中先輩にスガ先輩、そして音駒の孤爪さんとその仲間の人達が居た。
スガ先輩と音駒の茶髪の人が『すみませんウチの子が』という具合に謝罪し合っている。田中先輩と音駒のモヒカンの人は暗い顔して沈黙しており、どうやらスガ先輩達の謝罪の根源を生み出してしまったのはその二人と推測出来る。何してしまったんだお二人は。
「!? はぅあっ!!」
「「!!?」」
突然のモヒカンさんの奇声に、私と潔子先輩と田中先輩の肩がビクリと撥ねる。ホントにどうしたんだモヒカンさん。モヒカンさんは震撼しながらじっとこちらを見詰めている。
私と潔子先輩は困惑しながらも軽く会釈をする。すると、モヒカンさんは顔を真っ赤にし、まるで雷でも落ちたかの様に衝撃を受けていた。