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永遠の彼岸花

第5章 絡み付く記憶の鎖


飛び起きた私は涙を流していた
呼吸が荒くなっていて胸を強く押さえる
何故か同じ部屋で寝ているバンを起こさないように部屋を出て外に行く
『っ...はぁ...っは、』
荒かった呼吸は徐々に過呼吸に変わり苦しさから涙が出た
うまく息をはけなくて、苦しさを増している
すると誰かの手が背中に触れその背中をそっと撫でた
横を見ると寝ていたはずのバンがいた
『ゆっくり息を吸って吐け』
大丈夫と言うようにその声と手は優しかった
大好きだった、彼のように
いつの間にかバンの手を掴んでいる手が震える
それから暫くして呼吸も落ち着いてきた
その頃には涙はすっかり止まっていた
一度深呼吸をしてからバンの方を向き
『ありがとう』
と少し小さい声で言うとバンは嬉しそうに笑いながら
『なんでもねぇよ♪これくらい』
と言った
...あ、そういえば、なんでここにいたんだろう...とそう聞こうとした時
バンの大きい手が私の頬を優しく包んだ
私がバンを見るとバンは優しく笑っていた
『...戻るか』
さっきの過呼吸を気にしてか、私を抱き抱えて...所謂お姫様だっこで部屋のベッドまで運んでくれた
その後床で寝るのかと思ったが私を寝かせてバンまでベッドに入ってきた
恥ずかしさや驚きより安心という気持ちが心に満ちた
そのまま二人は眠って
目覚めたときにはもう朝で、バンは私を抱き締めながら気持ち良さそうに寝ていた
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