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真夏の残像(黒子のバスケ)

第3章 退屈


NOside




新品の制服が壁に掛けられている。





まるで誰かをずっと待ってる迷子のように。








その制服の先にはその制服のサイズより少し小さく見える少女が居た。





彼女はその制服を見たくないのか背を向けて、雑誌を読んでいた。




しかしその雑誌は昔の様にバスケットボールの物ではなかった。





彼女は雑誌を顔の前から離すと窓へと向かった。



彼女の部屋にはカーテンがしっかりとかけられていた。



彼女はカーテンを開けるわけでも無く、ただひたすらそこに立ち尽くしていた。





まるで飛び方を忘れてしまった小鳥のように…







?side





『お姉ちゃん…




何で私だったの……⁉︎』





「……ッ!!?」





















3年前の光景が頭の中にフラッシュバックした。



ヤケにエタノールの匂いがする病室。



私とパパと…




が居た…が唯一我を忘れて泣いた瞬間だった。




チームメイトが来てくれた時も泣かなかった。



は強い子だと思っていた。



でもそうじゃなかった…



そんな事に初めて気づいた瞬間だった。




そう。


は決して強くない。







私が支えるからにもう一度バスケットボールを楽しんでほしいなんて




言ったら笑われるかな…?




でもお願い。


私の事をどれだけ怨んでくれても良い。だから…もう一度だけ…笑って…バスケットボールをして…






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