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真夏の残像(黒子のバスケ)

第10章 起床


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海常高校から出るとまたどんよりと空が曇ってきた。



朝練に行く生徒達で校門はいっぱい。



そして私服で居る私は多分、凄く注目を浴びている。



人の注目を浴びるのは好きじゃ無い。


顔をしかめると身を翻し、生徒達と逆方向へと歩く。








「っちぃぃぃ!」



突然空気を割るように入ってきた声。



それは紛れもなく



「何で…!?何で帰っちゃうんすか!?」



黄瀬涼太。




「…。」




「怒ってるんすか?俺達に。」




「…怒ってなんか無いよ。」




「じゃあ、




じゃあ何で





っちはあの時…「その真実を知りたいなら、





涼太達が、本当の自分を取り戻してから。






今のままじゃあダメ。








それ迄、待ってる。」



「っち…。





また、








また、







あの時みたいに笑えるっすか?









もし俺達が本当の自分を取り戻したら…。」








「笑うよ。みんなと。」








その瞬間涼太の瞳は潤んだ。

慌てて目をこすっている。









「その時はまた、練習





付き合ってっすよ?









ーーー今度は絶対裏をかいてやるから。」




私は頷くと身を翻して歩き始めた。








雲から光が漏れ始めて居た。
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