第10章 起床
NOside
『…お前はよく話すな。』
『そう?』
『あぁ。よく話すし、よく笑うし、よく泣くし、よく怒るし、よく寝るし、よく食うな。』
『んふふ。食うのは余計だよ。
ーーーー。』
『でもお前は何時も笑って話すよな。
どんな時も。』
『そうかな?自分の顔見ながら話してないから分かんないや。』
『何で、お前はそんなに他人を大切にするんだ?
何で、何時も人の顔を見て、人の顔色伺って、怯えて暮らしてる?
お前は一見自由に見えるだろうが…
俺はお前程何かに怯えて絡まれてる自由じゃねぇ奴は初めて見る。』
『…そうかな。』
『おお。』
『私、もう失いたくないの。』
『…?』
『ーーーーも。ーーーーーーも。
だから、
もし私が何かを傷付けそうになったら
止めてね。
もう、あんな思いはしたくない。
いや、
させたくない。
あなたにしか頼めないの。
お願い。
ーーーーーー。