第9章 病院
NOside
「…、また泣いてるの?」
「だって…だってぇ…また……
みんなに変な子って……
思われてるもん。」
「…にも人の気持ちが見えてるのね。」
「お母さんも…?」
「うん。お母さんも。
お母さんも昔から泣いてたな。
人の気持ちが見えちゃうのよね。
あ、この人がこう思ってる!
とか、こう考えてるなーとか。」
「私…この見えるヤツやだ。」
「そうかもしれないね。
でもね、。
このチカラは誰かの為を思わないと働かないの。」
「?」
「うーんとね、人の事を考えれる、優しーい子しか使えないの。」
「…なんで?」
「分かんないな。でもね、このチカラを使えるって事は自分の事よりも他の人の事を大切に考えているって証拠なの。」
「…。」
「お母さんは昔、このチカラを一回失った事があるの。
その時は、自分の事で精一杯だったのね。
それはある人が助けてくれたわ。
。あなたが人の事を考えれる子でいてくれたら、きっと周りの人が助けてくれるわ。
いくらあなたが辛くても…
何処かにはあなたの事を考えていてくれる人が絶対居る。
この事を忘れないで。」
「…?分かったー。」
そこには1人の黒髪で目がくっきりとした整った顔立ちの女性と、
まだあどけなさが残るが、その女性に瓜二つの女の子が二人で、静かな光を浴びながら話している姿があった。
遠い…
遠い昔の事だった。