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真夏の残像(黒子のバスケ)

第9章 病院


リコside


が美由紀さんが帰った後急に倒れた。



私は驚いて急いで駆け寄った。




はひたすら頭が痛むようだ。




私は急いでパパに電話した。


そしてパパの車で急いで病院へと向かった。


は病院で安定剤を打ってもらい、少し落ち着いた様子だった。

でもは表情を緩める事は無かった。

ひたすら、目をつぶって、時々苦しそうに顔をしかめていた。



私はが寝させてもらっている病室でパパに相談した。


「ねぇ…パパ。、気づいてるかもしれない。」


「そうか…。」


「うん…。」

「……美由紀に会ったからか?」



「…それもあると思うけど…。もしかしたら…の記憶障害が…」


「薄れてきたか。」

「…入学式の前日、その兆候が見られたの。はその時は床で倒れるように寝てた。
そしてその時からよ。の表情が殆ど無くなって…




私の事を……


リコちゃんって呼ぶようになったのは…ッ!」



「…苦しませて、悪かったな。リコ。」


「大丈夫よ。の苦しみに比べたら。」


「は…真実を知ったら、アイツは絶対奴に会いに行こうとする。
そういう奴だ。
は…優しい奴だからな。
でも奴に会ったは絶対に傷つくだろう。

まだ言ってはいけねぇよ。リコ。」



「…!でも!」

「リコの真実を伝えてやりたいっつー気持ちは痛い程分かる。
でもな、
唯の厚意だけじゃ人は救えねぇんだ。
時には苦しませなきゃならねぇ…悲しませなきゃならねぇ…。
今のは孤独と戦ってる状態だろうな。
そんな状態で言っちゃいけねぇ…。
が、本当に覚悟できて、俺らに教えてくれと言って、本当の仲間ができるまで、一緒に苦しみを俺らが背負ってやるしかねぇ…。
頼めるか?



リコ。」


「…うん。」


私は、涙が出て止まらなかった。

この何の罪もない唯の女の子がこんなに苦しんでいる姿を見て。


「ごめんね…ごめんねっ…。」


私は病室でひたすら泣いて謝った。

はひたすら苦しんでいた。



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