第8章 他人
side
騒がしい場所は好きじゃない。
そう思って私はみんなから少し離れた場所に移った。
そして五分後…
「よーし 全員揃ったなー」
順平君の声で部活が始まった。
でも今日はリコちゃんがデータを見るだけだと思う。
私は暇潰しに机の上の入部届けをめくっていった。
黒子テツヤ
帝光中学校
…
火神大我
アメリカ…?
すると順平君が私の所へ来た。
どうやらみんなリコちゃんのデータ取りが終わってテツヤ君を探しているみたいだ。
「!お前、帝光中学だよな?黒子…黒子テツヤ知ってるか?」
一気に私に視線が集まる。
私は顔を顰めた。
注目されるのは好きじゃない。
「知ってる…。」
「じゃあ何処にいるか…。」
「そこ……。」
私は下を向きながらテツヤ君がいる方向を指す。
順平君が私が指を指した方向を見ると、
「いたぁ…⁉︎」
「本当だ…!」
「きゃあぁぁ!!?」
不機嫌そうなテツヤ君の顔。
「黒子テツヤ君です。
彼は……」
「おい‼︎ー‼︎」
私がテツヤ君を紹介しようとしてもみんな聞いてくれない。
…ハア。
だからやなんだよなー。
騒がしいの。
私は面倒になってみんなが騒いでいるうちに体育館を後にした。