第7章 虚偽
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放課後。私はヘッドホンを付けて席に座っていた。
机の上に入部届けを出しながら。
するとテツヤ君が私の方に来た。
「さん。バスケットボール部、入るんですか?」
「そのつもり…。」
「そうですか。嬉しいです。」
「そう…。」
「行きますか?」
「うん。じゃあ後で。」
私は教室を出て体育館へと向かう。
体育館の近くに行くと私はヘッドホンを外して中へ入った。
皆の視線が私に集まる。
目立つのは面倒だ。
周りを見渡すとまばらに人がいる。
まだ部活は始まっていないみたいだ。
私はリコちゃんを探すと呼んだ。
「リコちゃん。これ。」
「…。」
リコちゃんはどこか嬉しそうでどこか悲しそうだった。
順平君達がリコちゃんの周りに集まってきた。
多分…2年生。
「カントク‼︎この子は?」
「ちゃんだよ〜」
「コガ知ってんのか!?」
「うん。カントクの妹。」
「マジか…!」
「そうよ。この子は私の妹の相田 。」
「よろしくお願いします…。」