第6章 苦悩
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「…という訳なんですが。」
今迄気付いたこと全てを言った。
「…で、自分の立場が分かんねーと?」
「はい。」
「わかった。お前もうグチャグチャ考えんな。」
「‼︎」
「お前が言ってたことが本当か…なんて俺は分かんねぇ。
でも、お前が考えてんのが本当かどうかわかる為にはお前がずっと今迄の様に引きこもってんのは良くねぇと思う。」
「引きこもってないです。」
「だーかーらー‼︎バスケ部来い‼︎ダアホ‼︎」
「…‼︎私は…もう…」
「やらないっつーんか?お前の声はやりたいっつってんぞ。
自分に蓋をすんな。」
「…」
「もし…お前が本当に真実を知りたくて…いくら険しい道だろうが登りてえっつうなら…
俺が力になってやる。
だから来い。」
「…良いの?」
「良いから来いって言ってんだろ!ダアホ‼︎」
「うん…わかった。そうする……。」
「おう。明日、放課後だかんな‼︎」
「リコちゃんに聞いた。」
「リコちゃん…?お前…姉ちゃんって呼んでなかったか…?」
「…色々ありがとう。またね。順平君。」
「あっおい‼︎」
…私はまた…逃げようとしてるのか?
ここまで私に言ってくれた人にさえ…。
人がどんどん自然に信じられなくなっていく。
その事に初めて…恐怖した。