第6章 苦悩
side
…どうすればいいのか。
私は…。
誰も相談できる人なんて居ない。
ましてや助けてくれそうな人なんて…
居た。
1人だけ。
よく父さんのスポーツジムに居た人。
私は古びたケータイを出して名前をスライドした。
この人だったら…
分かってくれる…のかな?
私はケータイを見つめながら誠凛高校を後にした。
そして家とは反対方向に曲がり、小さな公園に向かった。
その公園のベンチで私はその人に電話をした。
無機質な着信音が脳に鳴り響く。
「はい。もしもし…。」
「ですけど…。」
「…‼︎か?久しぶりだな。」
「ですね。お元気ですか。」
「ああ。どうした?お前が電話をする時なんて相談以外ねーだろ。」
「よく気付きましたね。御名答です。」
「んで?何があったんだ?最近カントクも元気ねーんだが…それも関係すんのか?」
「分かりません。」
「ふーん…まあ言ってみろや。」
「はい…。実は…」