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真夏の残像(黒子のバスケ)

第6章 苦悩


リコside

「リコちゃん。」



…私は、この日より辛かった瞬間は無いと思う。


が私を見ていた時、何処か全て知ったような…目をしていた。



私はが若しかして…あの事を知ってしまったのかと思った。


の本当の過去を。


は記憶障害を起こしている。

昔、にはその小さな身にはあまりにも大きな事件が起こった。


私達はの命を守る為に記憶障害を起こさせた。









そして…今その記憶障害が薄れてきている。

…としたら…







私はどうすれば…?





この目の前で冷ややかな目で私を見ている少女をどうすれば…?







「…カントク!ちょっと…カントク…⁉︎」




「あっ…ゴメンなさい!どうしたの?」


何時の間にか私はボーッとしてたみたい。
小金井君に呼ばれていたのも気が付かなかった。



「…カントク。その…女の子は?」


小金井君は心配そうにを見た。



「…相田 よ。私の妹。」



は少し不機嫌そうに下を向いた。
小金井君はそれを聞くと安心したように頷いて


「じゃあ…マネやるの?えーっと…」



「よ。私はそうして欲しいって思うんだけどね。」



私は適当に濁すと、を椅子に座らせて入部届けを差し出した。



「。これは持って帰って。明日…放課後練習があるから。その時持って来てくれれば良いわ。」


「…」


は何も反応せず入部届けをカバンの中に入れると人混みへと消えていった。
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