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マンホールゲーム

第2章 穴の中


「うおっ!?…くそっ、なんだってんだ、本当!!」

イラつきを隠せないエルス。
だが、すぐに我に返り、冷静に判断をし始める。

相変わらず穴の中は薄暗いが、よくよく見れば、壁には戸棚や本棚がギッシリつまっている。
試しに、エルスはビンを一つ手に取ってみた。
それには、『オレンジマーマレード』と殴り書きされたラベルが貼ってある。
確認のため、エルスが蓋を開けてみると

「うわっ、なんだこれ!腐ってるじゃないか!」

独特の異臭を放つビンにキツく蓋を閉めると、エルスは通りすがりの戸棚にぐいと押し込んだ。
その後も、いくつか手に取ってはみたものの、どれもカビやらホコリやら…まともなモノは、一つもなかった。

「はあ…どうすれば良いんだ…?」

エルスは、深く溜め息をつく。

ふっ、と顔を上げると、目の前に他のモノとは全く違う、真新しい本が棚の中にポツンと入っていた。
急いで手に取り、題名を見てみると、

『マンホールゲーム攻略本』

と書いてある。

「………マンホールゲーム?」

エルスは一瞬、捨ててしまおうかと思った。
が、「こんな所にあって、目立つ程の新品なんだ。何か意図があるのかもしれない」と思い直し、本を開く。




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