第2章 穴の中
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「どこなんだ、ここは…」
エルスは、薄暗く、ジメジメした場所に立っていた。
状況が、よく把握できないエルスは、とりあえず今までのことを思い出すことにした。
そう…僕は、アリスと一緒に歩いていた…歩いていたんだ。
だけど、いつの間にかここに来て…?
「穴…」
そうだ、穴だ。
エルスは、はっとした。
足元に穴が開いて、それで、そう…落ちたんだ。
「だとしたら…ここは、その穴、ということか?」
なら、声を振り絞れば、アリスに声が届くかもしれない。
そう思ったエルスは、声の限りに叫んだ。
「おーーーーい!!アリスーーー!おぉーーーーい‼︎‼︎‼︎‼︎」
だが、その声は空しく消え入るだけだった。
ガックリとエルスが肩を落としていると、ゲーム音が聞こえた。
「なんだ…!?」
エルスが天井を仰ぐ。
すると、いきなり足場がなくなり、エルスは下へ落ちていった。