第24章 星屑の泪
!!?
私はすぐに
後ろに振り返った。
キッチンにゆっくりと
入ってくる影。
沙「か、会長さん・・・」
その影は、柔らかい笑みを
浮かべた栞鳳のものだった。
彼は、私の前で立ち止まると、
しゃがみ込み、
眠っている刈真に目を向けた。
栞「刈真君熱だしちゃったの?」
栞鳳はじろじろと、品物を
確かめるような目で刈真を見つめる。
私は、「あ…そうらしくて…」
と弱々しい声で答える。
「ふーん」栞鳳が今度はカウンターを覗く。
「あれ?」
沙「どうしたんですか…?」
私が喋りかけると、栞鳳は
おもむろに立ち上がり、
カウンターに置いてあった
錠剤を手に取りまじまじと見つめだした。
なにをやってるんだろう…?
錠剤に興味でも…
あるのかなぁ…。
栞「あーらら…」
はっとして、目線を
栞鳳に向ける。すると、
栞鳳は錠剤を手に持ったまま、
私の横を通り過ぎ、刈真の前に
錠剤を差し出した。
栞「かーるまくーん?
ちょっと起きてぇ~」
栞鳳が刈真の頬を
ペチペチと叩きだした。
すると、うっすらと
目を開ける刈真。
刈「…?」
先程までいなかった栞鳳に
驚いているのか、または
声を出す力など有り余っていないのか。
刈真は何も言わず、
ぼぅ…っと目の前の錠剤を
見つめていた。