第24章 星屑の泪
がくっと
人形のように首を垂らす。
その間、翠の頭のなかは
様々な思考が巡り合っていた。
不意に、ゆっくりと
視界に映る幸宏の黒い革靴。
翠は、幸宏を見上げ、睨んだ。
幸「あらら…、大丈夫ですか、お嬢様。
ほら、お手をとって―――」
翠「さわるな!!」
バシッ
差し出された手を、
翠は思いっきり振り払った。
真っ白な手の甲に、
ほんのりと赤い痕が残る。
優しい顔をしていた幸宏の顔が、
人形のように冷たくなった。
幸「…どこまで手がかかるんだ。
貴女様をはやく連れ戻さないと
私はこの首が危ないのですよ」
翠は、さらに
鋭く彼を睨む。
すると、幸宏も
翠を見下し、睨んだ。
幸「…貴女様のご友人も、
もうすぐ皆お陀仏です。
なにをそんなに怒るのですか」
翠「…あんたにはわかる訳ないでしょ?
なんせ、
ただの殺人ロボットだもの」
幸宏は、その言葉に
目を見開いた。
幸「…狡いなぁ。
それは貴女様もなのに」
翠「!? アタシはちがっ―――」
「みどりさぁぁーーん!!!!」
「「!!」」
幸宏と翠は、
聞き覚えのある声のする方へ
顔を向けた。
暗い浜辺を走る、
小さな影。