第24章 星屑の泪
刈「あ、れ…?っなんで沙織…が…っぁ」
沙「とっ、とにかく
一旦お水っお水飲もう!?」
私は刈真の体を起こすと、
棚に寄りかからせる。
小さく刈真が「だいじょうぶ…」
と呟いていたが、私は
すぐにコップを取り出して
水を注いだ。
沙「はいっ、刈真君…っ」
刈「あ…っ」
刈真は重そうに腕を上げる。
だが、コップを掴めるほどの力が
ないようだった。
刈真君…。
私は彼の腕を下ろさせ、
そっとコップを口へ運んだ。
刈「あっ…ぃぃ…だいじょうぶ…っ」
沙「いいから!飲んでっ!」
少々強引だが、
なんとか刈真に水を飲ませられた。
でも、彼はまだ辛そうだ。
沙「大丈夫…?
いつから…体が怠くなったの?」
刈真は、ぼう…っとしたまま、
私の言葉に耳を傾けていた。
今きっと凄く意識が薄れている。
眠くなっているんだと思った。
刈真の口から、
力のない声が返ってきた。
刈「山…を…お、りてっる…と、き…っ」
沙「その時から!?
なんで何も言わなかったのっ」
刈真は、「はーっ、はーっ」
と荒い呼吸を少しの間繰り返した。
優しく背中をさする。
刈「ねつ…でたな、んて
言ったら…みんなっ心配するで…しょ?」
「せっかくの…、りょ、こうっ
だから… 僕のせいで時間…を
と、とっちゃ…いけないとっ…思ってっ」
沙「…だからって、
無理して我慢しなくても
大丈夫だよっ。そんな風に
隠してたら…私たちが悲しいよ」
刈真の背中をさすっていた手を止めた。
彼は、もう夢の中にいってしまった。
小さく寝息を立てて、
まだ苦しそうだが、眠っている。
無理しないで…。
隠してちゃ…
「私が…悲しくなっちゃうよ…」
「僕もそうだなぁ」