第24章 星屑の泪
それから数分、
あらゆる扉を開けて中を確認
して…を繰り返したが、
一行に明かりも音も何もせず、
二階には翠の姿を確認できなかった。
沙「…リビングかなぁ…」
一体、翠さんは
何処へ行っちゃったのかなぁ。
リビングで珈琲でも
つくって飲んでいるのかな…。
…心配だ。
階段の手すりに手をかけると、
そっと段差を下りた。
下りる度に軋む音がする。
私はいまだに、その音と真っ暗な
空間に慣れることができないでいた。
最後の一段を下り、
廊下の奥を見ると、リビングに
明かりがついていた。
それを見た瞬間、
私はほっと胸を撫でおろす。
良かった、
やっぱり翠さんは
リビングにいたんだ…!
軽い足取りで扉を開けた。
…だが、見たかった翠本人は
視界には見当たらない。
テレビはつけておらず、
カーテンもしっかりと閉め切っていた。
(あれ…?)
私はまた不安になった。
その時、
キッチンから
何かの物音がした。
ドタッと何かが
倒れるような音。
私は、恐る恐る近づいていく。
キッチンに思い切って
飛び入ると、そこには
刈真 が倒れていた。