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「 水色の革命 」

第24章 星屑の泪








沙「翠さぁーん…?何処ですかぁー?」






暗い廊下に響く私の消えそうな声。

…返事はなにもない。


もう一度彼女の名前を呼んだが、
そんなか細い声はすぐに

真っ黒な廊下の先へと
吸い込まれてしまった。




(もしかしてトイレかな…)





このときになって
ようやくそういう思考が出てくる。

そうだ。


何故あの時の私は
トイレに行っているという
考えを持てなかったのだろう。

翠はきっとトイレに行ったのだ。








…だが、例えそうだとしたら
人ひとりが動く音がしてもいいのではないか?









トイレはこの二階にもちゃんとある。
翠がいるのなら、何かの
音がしたっていいのだ。

そもそも明かりをつけて
トイレをするものだろう…?





真っ先に見てしまうのは、

誰もいない真っ黒な廊下の先。

無意識に、私はごくん…と喉を鳴らしていた。
いつの間にか手に汗を握っている。



…もし翠が
大変な目に会っていたら…







沙「…探さないと…っ」







私は、意を決して
足を前に出した。










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