第24章 星屑の泪
その時、お菓子コーナーの方
から優一がのそり…と
歩み寄って来た。
…ペロペロキャンディーを
溢れる程沢山抱えて。
私の傍に来ると、
「いいもん沢山あった…」
と嬉しいそうに笑った。
けど残念ながら
そんなに買う程お金を
持って来てはないのですよ…
私は、そんな気持ちを
詰め込んだ笑顔で
優一を見つめた。
幸「それでは、
私はこのへんで…」
手を挙げた幸宏は、
私達に背を向けて
コンビニを出て行った。
沙「行っちゃった…」
私は、入口の扉が
閉まるのを確認すると、
そそくさに棚から
砂糖と書かれた小瓶を
手に取った。
優「俺…」
優一が遠くを見ている。
優「あいつ嫌い…」
私は首を傾げる。
彼は瞳を私に向けると、
「あいつは危険」
と一言呟いた。
沙「どうして…?」
私の問いに、
優一は答えようとしなかった。
まあ、人それぞれと
いうことだろう。
あまりとやかくいう権利なんて
私には何もないのだから。
沙「帰りましょうか…」
私は優一に微笑みかけた。
…優一のあの一言は、
あながち間違ってなど
いなかったのだ。
この時の私は、
まだ気付けずにいた。