第24章 星屑の泪
甲高い女性店員の声が
聞こえてきた。
お店に入った途端、
優一はフラッ…とお菓子コーナーへと
歩を進めていく。
…本当に子供みたいだ。
お菓子コーナーの
棚から顔がはみ出ている。
すぐに見つけられるからいいか。
私は、はっとして
すぐに調味料コーナーへ
向かった。
棚角を右に曲がる。
その直後、私は「あ」と声を上げた。
幸宏が棚の前にしゃがみ込み、
小瓶と睨みっこをしていたのだ。
恐る恐る、私は声をかけてみた。
沙「…幸宏さん?」
幸宏は顔を上げる。
そして私を見上げると、
まるで待っていたかのように
優しく微笑みを浮かべて立ち上がった。
幸「貴女は黒翔さん。
奇遇ですね、買い物ですか?」
相変わらず
ほっこりする優しい声だ。
私は「そうなんです」と
首を縦に振った。
沙「…幸宏さんは、
小瓶を見つめてどうしたんですか?
調味料入れを買いに?」
幸「あ…いえ、実は
新しいランプをつくろうと
思っていまして…」
(…ランプ?)
幸宏は、恥ずかしそうに
頬をほんのりと赤く染めた。
ランプとは、
あの明かりを灯す…やつだろうか?
いや、そうに違いないだろう。
沙「でも、ここは調味料入れの
小瓶を置いてあるんですよ?
もっと大きなものの方が…」
私はその後口を結んだ。
人が真剣に選んでいたとゆうのに
なんて失礼なことを言ったのだろう。
別にどんなものを
使ってもいいじゃないか。
申し訳なくて、私は
顎を引いた。