第24章 星屑の泪
刈真は、その瞬間
大声で彼女の名前を呼んだ。
「「翠さんっっ!!!」」
その途端、まるで
テレビ画面の砂嵐のように
消えかかっていた翠の姿が
何事もなかったようにしっかりと見える。
彼女は不思議そうに、
そして驚いた顔で振り向いて
「どうしたの…!?刈真君…?」
と言ったのだった。
刈真は動揺し、
静かに「あ…何でもないです」
と返した。
栞「刈真君どうしたの?
いきなり吹雪姫のこと呼んじゃって、」
翠「本当~。
なんかアタシにゴミついてた?
もうビックリしたよぉ~」
刈「あはは…、いや、
髪型が崩れそうだったので…」
刈真は、一人で
体中に汗をかいていた。
突然こみあげてきた熱。
今になって自分たちの体に
あたる心地よい涼しい風が、
刈真の肌には
氷水が触れたように冷たかった。
…なんだったんだ、今の。
翠「?本当どしたの、刈真君。
大丈夫?さっきから…」
栞「毒キノコでも食べたの?
それじゃあ仕方ないね♪」
刈「いえ、大丈夫です…本当に…」
…幻覚か。
きっと、僕の妄想だろう。
帰ったら寝た方がいいかな…。
刈真は、
もう先程のことを考えるのをやめた。
気が付くと、
もう我がBチームは
頂上へと登りつめていたのだった。