第24章 星屑の泪
刈真は
一旦袖で目を拭う。
そして深呼吸をすると、
翠に静かに囁いた。
刈「僕は…今は
色々なことが心配だし、
沙織もあのバイトのことが
あったから…
そんな気にはなれません…」
翠「ったく、
トろいんだからぁ刈真君は~」
栞「そうだよぉ」
突然入ってきた栞鳳に、
刈真は鋭い視線を向けた。
だが、やがて
その視線を足元に向ける。
ほんのりとしたピンク色を
頬に馴染ませながら、
刈真は微笑んだ。
刈「…いいんです。」
翠「え?」
栞「え?」
ふたりはキョトンとした顔で
刈真に聞き返した。
刈「最初は…
お互いのことが良く
わからなくて、傷つけ合ったり…
優しさに気づけずに
すれ違ってしまったりとか、
考えすぎたりして
失敗ばかりだったけれど。
…焦らなくても…
来ると思うんです。
体も…気持ちも…
ひとつに結ばれるその時が…」
刈真は、
どこか遠くを見つめた後、
優しくゆっくりと目を閉じた。
「きっと… もうすぐ…」