第24章 星屑の泪
Aチーム―――――
琴「やっとついたーーー!」
淡々と山を登っていた琴音達は、
とうとう山頂へと登りつめた。
琴音の後ろについていた
美紀が、あたりを見渡した後、
琴音に向かって微笑んだ。
美「良かった。私たちが一番みたい」
琴「ほんと!?やったね!」
ふたりは笑顔で手を合わせた。
その光景をひとり見つめていた優一。
琴音の足を休めてから
山頂へ登るまでの間、一度も
休憩を入れてなかったため、
息も絶え絶えであった。
優雅で美しい山頂からの景色を
見ようという気力も湧かず、
とにかく休みたい…という
思いが顔にかかれていた。
優「はぁ…はぁ…」
荒い呼吸を整えながら、
地べたにドテン、と座り込む。
そして両手を後ろにつくと、
ゆっくりと空を見上げた。
優「…あの雲食べてみたい…」
美「わたあめだったら食べれるけれどね」
優一は横を向く。
すると、しゃがみ込んだ美紀が
自分に笑顔を向けていた。
優「雲だって食べれるよ…」
美「でもわたあめの方が美味しいわ」
優「わたあめは祭りの時しか食べれない。
翠が買ってくれないんだ…」
美「ふふ、翠がお母さんみたいね」
優「あー…ねみぃ」
琴音が絶景に釘付けに
なっているのを遠目に、優一は
大きなあくびをしたのだった。