第24章 星屑の泪
翠「か、かか刈真君!」
ばっ、と翠は
振り返った。
そこには、恐ろしい邪気を
漂わせる刈真の姿が…
さすがにやばいと、
翠は栞鳳に助けを求めた。
だが、あろうことか
その栞鳳はまるで観客のように、
恐れる翠を見て面白がっている。
翠「おぬし裏切りおったなぁあ!!?」
栞「逃げるが勝ちでありんせぇ♪」
刈「さーて…どうして差し上げましょうか?」
翠「ひっ!」
翠がその声を上げたときには、
もう遅かった。
「「ぎゃああああああああああぁぁぁぁ…」」
*
カタカタカタッ…
沙「あれ、水筒が揺れてる…っ」
突然震えだした水筒を
私は慌てて持ち上げた。
それと同時に、
遠くの山の頂上から
黒い鳥が大勢飛び立つのが見えた。
大河がその光景を
小手をかざしながら見上げる。
大「なんだ?熊でも出たか?」
連「あれ、でもなんか
微かに叫び声もしない?」
耳をそっと傾ける連に、
大河は「そうっすか?」と
言いながら首を傾げた。