第24章 星屑の泪
翠はふたりの表情に
すっ、と背筋に風が駆け巡っている
ような感覚を受けた。
両手で腕を擦りながら、
にこりと笑みをつくり
「まあ、なんだかんだ良好だよね」
と彼女は言った。
翠「さ、話は変わるけど」
栞「なになに?」
刈「…」
翠は、大きな瞳を
ゆっくりと閉じると、大きく
息を吸い込んで吐き出した。
深呼吸にしてはやり過ぎだが。
翠「刈真君は沙織とどうなの?」
「「「「!!!!!」」」」」
その一言に、
刈真の体が氷のように凍った。
栞鳳は少し驚いたように
目を大きくし、やがて
三日月のような目で
「それすごいキョーミある♥」
と笑う。
翠「じゃあ、これから
刈真君の恋模様について
詳しくインタビューしまーす!」
刈「!?えっ、ちょ!」
翠と栞鳳は、
あたふたと慌てる刈真の腕を
抱えて一気に駆け出した。