第24章 星屑の泪
学校のことや、
なんのたわいもない話で盛り上がる。
翠はその時突然、
ふとあることを思い出したのだった。
翠「ねえ」
刈真、栞鳳のふたりは
ゆっくりと翠を見つめる。
彼女は無表情のまま、
「会長は、刈真君を一回
殺そうとしたんだよね?なのに
どうしてそんなに仲良いの?」
と、質問したのだ。
刈真はその言葉に、
深い溜息をついた後、
呆れたような顔を見せる。
刈「どうしてそう…ストレートに…」
最後まで言うのが疲れたのか、
刈真はその後何も言わなかった。
眉を寄せて、
なにかを考えるように目を瞑る彼。
一方の栞鳳は、
けろっとした顔で
「そんなの友達だからだよ♪」
と笑顔を見せた。
ふたりには、
殺そうとした過去
殺されそうになった過去
がそれぞれ植えつけられている。
栞鳳はないかもしれないが、
刈真は
一度自分を殺そうとした相手に
再会したら、あまり関わろうとは
しないのではないだろうか。
性格も全くの正反対。
なのに、どうして仲が良いのだろう。
栞「きっと僕らは
分厚い腐った縄で繋がってるんだよ♪
ね、刈真君?」
刈「それはそれは。
赤い糸よりも
呪怨が込もってそうですね」
お互いにこにことした
固まった笑顔で見つめ合っている。
いや、翠には睨み合っているように見えた。
翠「…ライバル、てこと?」
おもむろに首を傾げる。
その言葉が耳に届いたのか、
ふたりが同時に顔を向けて
だよ
『只の 腐れ縁 』
です
と乾いた笑みを浮かべた。